横浜市長に立憲民主党が支持する「統合型リゾート(IR)」反対派が当選・就任した。有力候補地の「脱落」で、IRを一つの起爆剤と位置づけていた政府の成長戦略に新たな逆風が吹く。今後の注目は東京都の動向だ。小池都知事はカジノに対する世論をどう感じ取るのか。
8月22日の横浜市長選挙で当選した山中氏は市の「IR推進室」を廃止する考えを示した(写真=2点:毎日新聞社/アフロ)
「IRの誘致は行わない」──。横浜市の新市長に当選した山中竹春氏は8月の選挙戦でこう主張してきた。近く正式に誘致撤回を表明する見通しだ。カジノを含む統合型リゾート(IR)を重要政策として推進してきた横浜市の撤退は、誘致に動くほかの自治体に影響を与える可能性がある。
政府が2018年に成長戦略として打ち出したIRは、宿泊施設からイベント会場、商業施設、カジノまでが一体になった大規模開発だ。横浜市でも初期開発投資が1兆円規模になるとの試算が出ていた。新型コロナ感染症が広がるまでは、海外から客を集めていたシンガポールの「マリーナベイ・サンズ」のような成功事例を日本でも実現させる狙いだった。特に日本を訪れるインバウンド客の急増に沸いていたこともあり、IR誘致によってさらなる経済効果が見込めるとの期待があった。
だが、そこに立ちはだかったのがカジノに対する拒否反応だ。反対派は治安悪化やギャンブル依存症といった不安材料を指摘し、賛成派は一定の入場制限や依存症対策を導入することで問題を回避できるという主張を繰り広げ、論争を続けてきた。
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