「もうすぐ更年期かなと思うとこわいです」
こうした声は、40歳代の女性からよく聞かれます。「更年期」は、「なにかとてもこわいことが起こるような、得体の知れないおそろしい存在」というイメージがあるようです。
症状は出ないことも
女性の場合、更年期とは閉経前後の時期のことで、ホットフラッシュ(顔がほてる)や、イライラ、関節のこわばり、抑うつ、 動悸 といった症状が出ることがあります。中には、日常生活に影響が出るほど、重い症状が表れる人もいますが、程度は人によって異なり、中には出ないこともあります。
2022年に厚生労働省が行った大規模調査によると、「自分は更年期障害かもしれない」と考えている女性は、40歳代で28.3%、50歳代は38.3%でした。しかし、実際に更年期障害と診断された女性は、40歳代で3.6%、50歳代で9.1%です。この調査から、実際に症状が出る方は、意外と多くないことがわかります。
「病は気から」と言いますが、「もうアラフィフやし、更年期かもしれない」などと、なにか症状があるわけでもないのに悩む必要はまったくありません。症状もないのに悩んでしまうなんてもったいなさすぎます。
年齢的には「更年期」でも、症状がなにもなければラッキーで、特別なことをする必要もなく、穏やかに快適に過ごしていいのです。
不安になることはない
「更年期症状がなるべく出ないようになにか今から対策できることはありますか?」と相談を受けることも多いです。しかし、残念ながら、生活習慣を改善するなどして自分で予防することはできません。ただ、年齢とともに体力は低下していきますので、同じ生活をしていても、若い時に比べるとしんどく感じるようになっていきます。これはみんな同じです。
ですが、適度な運動で体力を保っておくことで、年齢を重ねることによる体力の低下を軽減することはできます。
30歳代の方でも、なにか不調があると「もう更年期かもしれない」と不安になったり、漠然とした不安を抱いてしまったりする方は多いのですが、「更年期」自体は「思春期」のようなもので、生きていれば誰もが通るただの「時期」です。
年齢的にまもなく更年期だからと、なにも症状がないのに不安になる必要はないですし、心配するのはもったいないのです。なにか気になる症状があれば我慢せずに産婦人科で相談してください。なにも困る症状がなければ気にせず過ごしていただき、ただ、適度な運動習慣があることで、より元気にウェルエイジングできますよ。(稲葉可奈子 産婦人科医)
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