「超鋼戦紀 キカァィオー!」
1998年にアーケード版が稼働を開始した『超鋼戦紀キカイオー』(以下、キカイオー)は個性豊かなロボットとパイロット、そしてアーケードゲームとしては極めて珍しい、オープニングアニメと熱い主題歌の実装により話題を呼びました。2000年にはドリームキャストにも移植された同作を心行くまで楽しんだライターの早川清一朗さんが、当時の思い出を語ります。
【画像】続編を実現してくれる? 今も活躍する『キカイオー』を彩った人々
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「ピポ ピポ ピポ ポーン」
耳慣れたタイムカウントの音と共に、左上の「5:59」の数字が「6:00」へと変わり(ドリームキャスト版では「5:29」→「5:30」)、熱血系のオープニングが流れ出す。筆者が子供の頃に毎日のように見ていた当たり前のものを、アーケードゲームで見せてくれたのが『キカイオー』でした。
本作の企画設定を務めたのは『超時空要塞マクロス』(以下、マクロス)でバルキリーを始めとした各種メカニックをデザインした河森正治氏。その後の『マクロス』シリーズでは原作や総監督を務めた人物で、ロボットが登場するアニメやゲームで今なお活躍を続けている偉大なクリエイターです。
登場するキャラクターやロボットたちは多種多様な作品からのインスパイアを受けつつも、それをさらに昇華させた個性的なキャラクターが揃っていました。特に筆者は魔法少女ポリンが操る『魔法の国のポリンちゃん』と、どことなく『マクロス』に登場したデストロイド・モンスターの面影を持つ、『重装甲陸戦兵器 ワイズダック』がお気に入りでした。
これらのキャラクターにはキャラストーリーが実装されているだけではなく、分岐によってエンディングが変化したり、他のキャラクターのシナリオで全く異なる役割で登場したりするなど、キャラクターの魅力に一層深みを与える試みがなされていました。
ただ残念なことに、アーケード版の『キカイオー』には大きな弱点がありました。当時の水準としてもポリゴンが粗かったのです。1996年稼働の『バーチャファイター3』などで高水準のポリゴンを見慣れていたゲーマーたちに対して、これは大きなマイナス点となってしまいました。
ゲーム性についても粗さが感じられ、アニメ風の演出やオープニングなどの様々な新機軸も、さまざまな音が入り混じるゲームセンターという環境ではゆっくりと楽しむことは難しかったのです。
率直に言ってアーケードには不向きな仕様だった『キカイオー』。その真価が発揮されるには、西暦2000年に発売されたドリームキャスト版(以下、ドリキャス版)まで待たなければいけませんでした。
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January 30, 2020 at 05:10AM
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