2月11日に発表されたGalaxy S20シリーズには、サムスン初の「Ultra」モデルが登場しました。これまでのサムスンは基本スペックの差(ディスプレイ、メモリなど)でシリーズ内のモデルを区分して製品を複数展開してきました。特にフラッグシップモデルは「無印」「+(プラス)」の2サイズ展開が恒例です。ところが2020年春のフラッグシップモデルはカメラ機能を大幅に強化した上位モデルとしてGalaxy S20 Ultraが発表されたのです。
いまやどのスマートフォンメーカーもカメラ性能アップに最も力を入れています。しかしここ数年はファーウェイがカメラスマートフォンとしてのプレゼンスを高めており、他社がどれだけいいカメラを搭載しても「ファーウェイ&ライカ」の前に目立つことが難しい状況が続いていました。
Galaxy S20シリーズはいずれもカメラの性能を大きく高めており、8Kビデオ録画など新しい機能を多数搭載しています。しかし3月に発表予定とされるファーウェイの「P40」(仮称)シリーズが出てくれば、カメラ性能の話題はそちらに集中してしまうかもしれません。「1億画素カメラと100倍ズーム」という、スマートフォン史上最強のカメラを搭載した端末をアピールするために、サムスンはあえてUltraという名前を付けたと考えられます。
Galaxy S20+、Galaxy S20も優れたカメラ性能を有しています。従来ならばこの2機種で勝負するところに、あえてモンスター級のカメラフォンであるGalaxy S20 Ultraを投入することで、サムスンのGalaxy Sシリーズはこれまでの「春のフラッグシップモデル」から、「業界をけん引するカメラを搭載するカメラフォン」へと進化を遂げたのです。
カメラフォンとなったGalaxy Sシリーズは、ファーウェイの春のフラッグシップ兼カメラフォンである「P」シリーズに真っ向から対抗するモデルになります。Galaxy S20シリーズの製品発表会では、スマートフォンの基本性能であるCPUのスペックの話は一切されず、ほとんどの時間がカメラに割かれたことからも、サムスンのカメラにかける本気の度合いがわかるというものです。
一方、秋冬モデルに目を向ければサムスンは2019年8月にGalaxy Noteシリーズを2モデル展開とし、製品数を増やしました。これもファーウェイの秋冬フラッグシップモデル、Mateシリーズへ対抗した動きでしょう。
さらには今年1月からサムスンは新興国を中心にGalaxy S10 Lite、Galaxy Note10 Liteを発売しました。どちらも高スペックなCPUに充分なカメラ性能を有し、特にフロントカメラを強化しています。この2つのLiteモデルはこれまでのサムスンには無い製品で、急に出てきたモデルなのです。しかしライバルを探してみると、ファーウェイのnovaシリーズにぶつけてきたモデルと考えられます。novaも高スペックモデルやフロントカメラ性能を高めており、ファーウェイの3本目の柱の製品になっています。
そのファーウェイはサブブランドHonorのモデルも新興国を中心に足す展開しています。サムスンは2019年、1年をかけてGalaxy S、Galaxy Noteの下位モデルだったGalaxy Aシリーズの総入れ替えを行い、フラッグシップモデルとは別のラインに育て上げました。すなわちGalaxy AシリーズはHonorに対抗する勢力となっているのです。
サムスンのスマートフォン販売シェアは世界1位ですが、毎年シェアは少しずつ下がっており、ファーウェイが急激に伸びアップルを突き放しました。ファーウェイの勢いに対抗するにはサムスンも大胆な製品ポートフォリオの変革が必要だったのです。
ところで昨年のGalaxy S10シリーズでは、Galaxy S10、Galaxy S10+という大小2つのモデルに加え、コンパクトサイズのGalaxy S10e、5G対応のGalaxy S10 5Gの合計4つのモデルが登場しました。しかしGalaxy S20シリーズではすべてのモデルが5G対応になったことから、5Gモデルの別展開が無くなっています。
5.8インチ画面の小型モデルは女性層もターゲットにしていました。今後はコンパクトサイズは別ラインであるGalaxy Aシリーズに豊富な製品群が用意されているためそちらでカバーするという戦略なのでしょう。また「小さくてスタイリッシュ」を求める女性層には縦折り式のGalaxy Z Flipを勧めていくと考えられます。Galaxy Z FlipにはファッションブランドThom Browneとのコラボモデルも投入されることからも女性を強く意識した製品であることがわかります。
Galaxy Sシリーズはサムスンの顔となるフラッグシップモデルです。Galaxy S10eではユーザー層を広げるために小型化を図りましたが、やはりカメラや動画性能をフルに生かせる大画面モデルに改めて注力しようと考えているのでしょう。ましてや3モデルすべてに5G対応品があるとなれば、ユーザーは常に動画を見るような使い方をします。5Gでは大きい画面がより好まれるようになっていくはずです。なおGalaxy S20シリーズの発表会では、Netflixとの提携も発表されました。
Galaxy S20シリーズのカメラ性能に話を戻せば、8K録画への対応は8K TVを自社で生産し再生環境を自社で提供できるサムスンならではの強みといえます。そしてGalaxy S20 Ultraの1億画素カメラはシャオミが先に製品を出したものの、ソニーセンサーを使うファーウェイには追いつけない数値です。100倍ズームの実用性はさておき、その数値は消費者の目を引き付ける話題性があります。
Galaxy S20シリーズ、その中でもGalaxy S20 Ultraはサムスンのフラッグシップモデルのイメージを「ハイスペック」から「強力なカメラフォン」へと変える、重要な役割を与えられた製品となるでしょう。「サムスンのカメラはスゴイ」と消費者にどこまで認知させることができるか、マーケティング戦略も含め2020年のサムスンは今までには無かった大胆な動きを見せてくれるに違いありません。
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February 12, 2020 at 10:43AM
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Galaxy S20 Ultraはカメラ勝負に出るサムスンの運命を左右するスマホだ - Engadget 日本版
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