Pages

Monday, August 3, 2020

山陰中央新報社|元気が出る起爆剤に 苦境に挑む花火師魂 - 山陰中央新報

打ち上げ花火用の筒の手入れをする平賀真人さん=雲南市掛合町掛合、灰示花火
 「分かりやすく言うと、ほぼ全滅ですわ」

 新型コロナウイルスの影響で花火大会や祭りの中止になり、花火業者が苦境に立たされている。島根県雲南市掛合町掛合の灰寺花火代表、平賀真人さん(47)は、全国で夏に花火を打ち上げるイベントの9割以上がなくなったとみる。

 長野県の製造会社で修業し、2016年2月に独立。山陰両県では例年、25件前後の現場を手掛ける。

 「えらいことになった。来年の夏にはイベントが戻ってくるのか」

 食いつなごうと、国の持続化給付金や付き合いのある金融機関から追加融資を受けた。所属する花火師は55人にまで増え、現場に立って育ててきた。

 火花が何重もの円を描く「芯物」、ハートや星の形状を見せる「型物」の花火作りを極めた。地元ではオロチや三日月といった地域にちなんだデザインで夜空を焦がし、現場一つ一つに思いを込めて挑んだ。

 これまで花火は既製品を購入したり、兵庫県の会社に出向き玉を作ったりしていたが「安全性や品質の向上、オリジナルの作品を求めるならば、どうしても自社の製造場が欲しい」と願う。今年は夢だった自社製造場を建てる計画を進めていたが、資金繰りの悪化で見通しが立たなくなった。

 6月1日、新型コロナの収束を願い、全国の花火業者が同時に5分以内で花火を打ち上げるイベントに参加。山陰両県の計3カ所で花火を上げた。

 会場の一つ、宍道湖では特別な思い入れがあった。これまで地元にいながら、松江水郷祭は関わりがなかった。そこで「花火師が変わればデザインや演出はがらっと変わる。水郷祭でしか見たことない市民にすごい花火を見せよう」と、自社の独自技術を余すところなく披露した。

 11方向に向かって光を放つ派手な演出、まばゆい光の柱を描く「合掌打ち」。わずか75発、1分強の花火だったが、見物人の記憶に焼き付く出来栄えだった。

 「花火は空を明るくする。気持ちも明るくなり、元気が出る起爆剤になる。それを表現できるかどうかは花火屋の腕次第だ」

 例年より出番が少ない分、新作の研究や後輩の指導に力を入れ、職人魂は絶やさない。

Let's block ads! (Why?)



"出る" - Google ニュース
August 03, 2020 at 09:27AM
https://ift.tt/2PfGvna

山陰中央新報社|元気が出る起爆剤に 苦境に挑む花火師魂 - 山陰中央新報
"出る" - Google ニュース
https://ift.tt/3ayuGlo
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment