福岡県の新型コロナ感染者数が4日、752人と過去最多となり、医療現場には危機感が広がる。病床使用率は31・6%(3日時点)だが、新規感染者は1~2週間で症状が悪化する傾向があるため入院患者が急増し、一気に逼迫(ひっぱく)する恐れもある。若い世代の感染が多く自宅療養者も増加しており、容態把握が課題だ。
「入院したら1カ月ほどは退院が難しいので、今すぐ感染者を減らさなければ行き場のない患者が出てくる」。そう警戒するのは福岡大病院(福岡市)の藤田昌樹副病院長。重症者を中心に診る同病院は20~50代で病床の半数が埋まっているという。福岡市全体でもすぐに入院できる即応病床の7割が埋まった。
感染者の急激な増加について藤田副病院長は「7月下旬に増加に転じるなど昨夏の第2波と同じ経過をたどっている。冷房で飲食店や会社の換気が悪くなった影響では」と分析した。
福岡市医師会の平田泰彦会長は4日の定例記者会見で「インド由来の変異株『デルタ株』で感染拡大のスピードが速くなり、若い世代も重症化している」と説明。医師会は自宅療養者への電話やオンラインによる診療を近く始める。保健所の健康観察で症状の悪化が判明した人などが対象で薬も処方する。現時点で市内約180の医療機関が協力を表明しているという。
国は入院対象を重症者や重症化リスクが高い人に限る方針を示し、急増が見込まれる自宅療養者の容態把握が課題になっている。受診ができず不安で精神状態が悪くなる人もいる。平田会長は「自宅療養者に対しての医療は“空白”だった。安心してもらえる取り組みにしたい」と述べた。 (斉藤幸奈、下崎千加)
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