さいたま市大宮区の名所などをキーホルダーにしたカプセル玩具「大宮ガチャ」が人気を集めている。今年3月の販売開始から半年で3万個を売り上げ、9月15日には第3弾も発売した。同日は浦和版の「浦和ガチャ」の第1弾も登場するなど、快進撃を続けている。(児玉森生)
「あ! 新しいの出たんだ!」「うち、これまでに何個も買ってんだけど!」
17日午後、アルシェ大宮2階で大宮ガチャの販売機を見つけた若い女性たちが声を弾ませていた。
大宮ガチャはアクリル製のキーホルダーで、大きさは約5センチ。老舗喫茶店「伯爵邸」や地元の人に愛されたボウリング場「ハタボウル」など、旧大宮市民の心をくすぐる名所をテーマにしている。
コロナ禍で落ち込む地元を盛り上げようと、商業ビルを運営する「アルシェ」の中島祥雄社長(53)が東京のグッズ会社「ジェットワークス」の荒地功一社長(49)らと共同開発した。地元に密着した企画が思い浮かばず、中島社長が「伯爵邸」を話題にしてみたところ、会議に参加した都内在住の参加者が「知る人ぞ知る名所。面白いですよ」と食いつき、商品化に乗り出した。
3月の第1弾は伯爵邸のほか、大宮を代表する武蔵一宮氷川神社や、アルシェ大宮などの商業施設、FMラジオ局「NACK5」、ゆるキャラ「ぼんサイくん」など8種類をそろえた。発売から2日で1000個を完売。6月の第2弾では旧大宮市のキャラクター「こりすのトトちゃん」、再開発で閉館した「中央デパート」、昭和の学生にも大人気の洋品店「DAIMARU」など、ちょっと懐かしいものを中心に取り上げた。
キーホルダーにするのは定番のスポットだけでなく、「地元民が知っていて、かつ予想を軽く裏切るもの」(中島社長)。第3弾はさらにディープとなり、大宮を舞台にした人気ライトノベル「弱キャラ友崎くん」の作者・屋久ユウキさんが提唱する「日本の首都は大宮。」を書に仕立てた。
発売の度にSNSで反響が広がっている。17日に大宮ガチャを購入した岩槻区の会社員清見和伸さん(37)は「県民が愛するNACK5に伯爵邸とはいいセンス。昔遊びに行ったハタボウルも懐かしい」と目を細める。「友崎くん」が大好きという上尾市の県立高校3年、山口晴翔さん(18)も「大宮好きにはたまらない」と喜ぶ。荒地社長は「大宮ガチャは普通のガチャの10倍は売れている」と驚く。
大宮ガチャの人気に注目したのが、今年で開店40周年を迎えた伊勢丹浦和店だ。5月上旬、アルシェに制作を打診。ひそかに検討を進めていたアルシェも快諾し、「浦和ガチャ」が生まれた。
浦和版は、伊勢丹浦和店、浦和コルソ、浦和パルコと浦和駅周辺の3商業施設のほか、スタミナラーメンで有名な「
ご当地ガチャの人気について、さいたま市の清水勇人市長は「地域愛を引き出す重要で面白い取り組み。転入者に地元企業や名所を知ってもらえる」と評価する。中島社長は「これほどの盛り上がりは予想外。市民の秘めた地元愛が爆発したのだろう」と分析。与野や岩槻など他地域のガチャも検討中といい、「地域のさらなる名物を発掘したい」と意気込む。
ガチャの販売価格は1回300円。売上金の一部は地域の文化振興に役立てるため、同市に寄付する。
からの記事と詳細 ( ガチャっと出る「知る人ぞ知る名所」、すぐ売り切れるキーホルダー…「地元愛が爆発」の声 - 読売新聞オンライン )
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