フィギュアスケートの北京冬季五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権最終日は26日、さいたまスーパーアリーナで行われ、3枠を争った男子は今季初戦の羽生結弦(ANA、宮城・東北高出)がショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位となり、合計322・36点で2年連続6度目の優勝を果たした。羽生は3連覇が懸かる五輪代表に決まった。
夢のジャンプ「皆さんのためにかなえたい」
満場の喝采は、しばらく鳴りやまなかった。羽生は前人未到の大技「クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)」に失敗したが、唯一の300点台と圧倒的な強さで2年連続の優勝を飾った。「正直ほっとしている。あと何回こういう景色が見られるだろうか。今までの頑張ってきたことを思い出した」と喜びに浸った。
4回転半は冒頭。観衆が固唾(かたず)をのんで見守る中、意を決して跳躍した。回転数は足りず、着氷も両足で明らかな失敗だった。「あまりにも跳べなさすぎて若干失望した」と声を落とした。
落胆は引きずらない。直後の4回転サルコーを完璧に決めた。後半の2回の4回転ジャンプも高い出来栄え点を引き出した。それでも悔しいのは、やはり人類初の領域に踏み込めなかったことだ。
4回転半の基礎点は12・5と、4回転ルッツより1点高いだけ。大会の勝ち負けよりも、夢のジャンプを欲する。「頭を打ち、脳振とうで死ぬかもしれない」。命をも脅かす過酷な日々だが「皆さんが僕に懸けている夢。自分のためでもあるが、皆さんのためにかなえたい」。
次の挑戦の舞台は北京冬季五輪となる。「あまり考えてこなかった五輪だが、支えてくれた方々の思いを含めて出場を決意した。出るからには勝つ。そして武器として4回転半を携える」。王者が再び孤高の道を歩み始めた。
(狭間優作)
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