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Wednesday, April 6, 2022

「豚のえさ2割高」「漁に出ると赤字も」コロナ、ウクライナ情勢…飼料・原油高止まらず、生産者から悲鳴 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞

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配合飼料をタンクに補充する運搬車。飼料価格の高騰が続いている=曽於市

配合飼料をタンクに補充する運搬車。飼料価格の高騰が続いている=曽於市

 畜産用飼料や原油価格の高騰が、鹿児島県内の1次産業の現場を直撃している。世界的な新型コロナウイルスの影響やウクライナ情勢の緊迫化で、配合飼料に必要な穀物価格が上昇。原油価格とともに輸送や資材などのコストも軒並み上がり、生産者に重くのしかかる。国は近く対策に乗り出す見込みだ。

 「目の前の経営に精いっぱい。養豚農家の9割は赤字なのでは」。年間約4万7000頭の豚を出荷する旭ファーム(さつま町)の大迫尚至社長(49)はため息をつく。月に約1500トンを使い、経営コストの約半分を占めるえさ代の急騰が大きな原因だ。

 配合飼料価格は2021年以降、上昇を続ける。農林水産省によると、21年10~12月の飼料原料の平均輸入価格が前年同期比で66%も上がり、1トン当たり4万円を超えた。今年1~3月の平均価格はまだ算定されていないものの、同省の担当者は「各飼料会社の調達状況などを踏まえると、さらに上がる可能性がある」とする。

 旭ファームのえさの仕入れ額は昨年同時期に比べて約2割増。肉質への影響がない範囲内で安いものに替えるなどコスト削減を進めるが、それも限界がある。大迫社長は「生産者にできることは少なく、耐えるしかない」と語った。

 南九州市で採卵鶏約6万羽を飼う菊永エッグファームは、直売店で売る卵の値段を5~10%上げた。えさ代だけでなく、卵のパックなどの資材や輸送費も上がっている。菊永成人社長(47)は「正直、店頭での値上げ分では追いついていない」と苦しい現状を打ち明けた。

 水産業も影響は深刻だ。志布志市でシラス(イワシ類の稚魚)漁を営む稲森洋平さん(37)は「観光需要の落ち込みで、そもそも魚価が下がっている。漁に出ると赤字になることもある」。漁船に加え、シラスをゆでたり乾燥させたりするためのボイラーにも重油を使うため、燃料代がかさんでいるという。

 農林漁業者の不安解消のため、政府・与党は物価高騰を受けた緊急対策を近くまとめる。肥料原料の調達支援や配合飼料のセーフティーネット基金積み増しを盛り込んだ生産者支援策を検討中だ。

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