京セラ･稲盛さん、飲みニケーションも大事に「本音出るから」 巨星の死、工場立地の街に衝撃と悲しみ | 鹿児島のニュース - 南日本新聞

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稲盛和夫さんの死去を報じる号外を受け取る人＝３０日、鹿児島市中央町

　京セラ名誉会長の稲盛和夫さんの死去が伝えられた３０日、京セラの工場が立地する鹿児島県霧島市と薩摩川内市に衝撃と悲しみが広がった。商工団体の代表は「街の発展に尽力してくれた」、従業員やＯＢからは「人生哲学を教えてもらった」と感謝の言葉が上がった。

　国内最大規模の国分工場と隼人工場がある霧島市。従業員は合わせて５５００人に上る。

　霧島商工会議所の鎌田善政会頭（７５）は「５０年前に工場が進出したからこそ、今の市の発展がある。ただただ感謝しかない」。市商工会の中村博美会長（７４）も「工場はもちろんだが、地域のランドマークになったホテル京セラを造っていただいた。郷土にとって恩人」と残念がった。

　京セラは午後２時ごろ、全国の事業所や工場、グループ会社で一斉に黙とうをした。敷地内の社旗を半旗にして弔意を示した。国分工場の５０代の従業員は「ショックの一言。高校の大先輩であり、その哲学に仕事以外でも大きな影響を受けてきた」。小坂秀成工場長（６４）は「名誉会長が鹿児島出身であることに誇りを持って、工場を発展させたい」とコメントした。

　国分工場副工場長やホテル京セラ総支配人を務めた永田龍二さん（８１）＝隼人町神宮５丁目＝は稲盛さんの薫陶を受けて５０年近い。「『人間として何が正しいか』の教えを判断基準に生きてきた。巨星墜（お）つ、の感」と悲しんだ。

　薩摩川内市の中園機工は川内工場が操業した１９６９年から取引を続ける。中園洋司会長（７６）は「稲盛さんの話を聞くうちに、この人に付いていこうと思った。口調は穏やかだが、仕事は厳しく妥協しない人。『本音が出るから』と飲みニケーションを大事にしていた」と振り返った。８４年の第二電電企画（現ＫＤＤＩ）旗揚げ時が印象に残っているといい、「世界一高い電話料を何とかしたいと悩んでいた。あんな人はもう出ない」と惜しんだ。

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