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Thursday, April 20, 2023

基地局の「門戸開放」、世界へ出る好機に 楽天すがるオープンRAN ... - 日経ビジネスオンライン

trigerana.blogspot.com

世界で寡占が続いた基地局のベンダー界に、風穴を開ける好機が訪れている。異なるベンダーの機器でもつなげられる新潮流「オープンRAN」だ。経済安全保障の追い風にも乗り、日本勢が海外市場に攻勢をかける。

新たな通信インフラ「オープンRAN」。基地局整備で巨額の赤字を抱える楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(左)は期待する。NTTドコモの井伊基之社長(右)も負けじと構築ノウハウを海外事業者へアピール。火花を散らしながら世界へ挑む(写真=左上:NurPhoto/NurPhoto:ゲッティイメージズ提供、左下・右下:つのだよしお/アフロ、 右上:Joan Cros/NurPhoto/共同通信イメージズ)

新たな通信インフラ「オープンRAN」。基地局整備で巨額の赤字を抱える楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(左)は期待する。NTTドコモの井伊基之社長(右)も負けじと構築ノウハウを海外事業者へアピール。火花を散らしながら世界へ挑む(写真=左上:NurPhoto/NurPhoto:ゲッティイメージズ提供、左下・右下:つのだよしお/アフロ、 右上:Joan Cros/NurPhoto/共同通信イメージズ)

 「我々だけが完全仮想化されたスケーラブルな(柔軟に機能を拡張できる)オープンRANネットワークを世界に示せた。我々だけがオープンRANを実行し、展開する方法を知っている」。楽天グループ会長兼社長の三木谷浩史氏は、2023年2月末にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連見本市「MWC Barcelona 2023」(以下、MWC)でこのようにアピールした。

 直後の3月上旬には同社は中東サウジアラビアの大手通信事業者、サラムとオープンRANの構築・運用のための提携を発表。EC(電子商取引)やフィンテックなど楽天グループの別サービスと併せてノウハウが欲しいという需要が出ているという。

 モバイル事業の先行投資により巨額赤字に苦しむ楽天グループ。22年12月期の連結最終赤字は3728億円と過去最大に膨れ上がった。そんな窮地の三木谷会長が期待を寄せるオープンRANとは、新しい通信インフラの仕組みを指す。

 従来と比較してみよう。私たちの携帯電話などから発する電波がまず届く基地局は、無線機と呼ばれる電波を受信する機器や、無線制御部などから成り立つ。従来はこれらの機器は原則、同じベンダー製のものしか接続できなかった。

出所:英オムディア

出所:英オムディア

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 それは基地局機器市場の寡占が進む大きな要因でもあった。英調査会社のオムディアによれば、21年の基地局機器の世界シェアは主要ベンダーである中国の華為技術(ファーウェイ)やスウェーデンのエリクソンなどの大手3社が8割近くを握り、NECや富士通といった日本のベンダーのシェアは合計でも2.5%にすぎなかった。

基地局は原則、無線機と無線制御部から構築される。従来、同一のベンダー製の機器同士しか接続できなかったが、「オープンRAN」という共通の仕様を策定することで、他社の機器同士も接続可能となった

基地局は原則、無線機と無線制御部から構築される。従来、同一のベンダー製の機器同士しか接続できなかったが、「オープンRAN」という共通の仕様を策定することで、他社の機器同士も接続可能となった

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 そこで登場した「オープンRAN」とは、業界で統一のオープンな仕様を策定し、異なるベンダー製の機器同士でもつなげられるようにするというもの。上の図のように、ベンダーB社やC社の無線機でも、A社製の無線制御部と接続できるようになる。寡占市場を崩す可能性を秘め、新興ベンダーも参入しやすくなる。

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