三大流星群の一つペルセウス座流星群が観測された今年8月、流星の数が最も多くなるピークの翌日にそれを上回る大出現があり、1時間で200個ほどが流れた。専門家にも想定外だったが、兵庫県明石市の中学2年生が自宅から星空ライブを見て観測し、大出現を独自に発見して夏休みの自由研究にまとめていた。専門家は「涙が出るほど感動した」と驚いている。どうやって観測できたのか。
国際流星機構(IMO)の発表では、大出現があったのは8月14日。もともとのピーク予想は13日で、8月下旬にかけて徐々に減るはずだった。ところが、14日午前6~9時(世界時)に突如、流れ星が急増したのを米国やカナダの観測者が確認した。世界各地の電波望遠鏡による観測でも、1時間に200個超が観測された。
流星群は、彗星が放出したちりの帯に地球が突入して起きる。ペルセウス座流星群の場合、約130年の周期で太陽を回るスイフト・タットル彗星が、過去に地球の軌道を横切った際に残していったちりに由来する。
国立天文台天文情報センター広報普及員の佐藤幹哉さんによると、過去2千年に放出されたちりの場所はあらかた解析されており、今年のピークも例年通りとみられていた。もし今回の大出現が未知のちりの帯によるものなら、少なくとも2千年より前に放出された古いちりだったことになる。
日本流星研究会の会員でアマチュア天文家の杉本弘文さん(69)は14日夕、電波観測で流星が増えているのを確認し、国立天文台と朝日新聞社が米ハワイ島のすばる望遠鏡に設置している星空カメラのライブ映像を確認した。日本は日没前だったが、19時間の時差があるハワイはすでに夜だったからだ。
「電波観測で流星が増え始めて、あれあれ?と思っている間に爆発的な数になった。すぐライブを確認したら、確かに流れている。これは本物だと」
録画を解析すると、1時間に120個の流星が映っていた。カメラが向く反対側の空もあることを考えると、夜空全体ではさらに多く流れたとみられる。
星空ライブを配信している朝日新聞宇宙部のユーチューブチャンネル(https://www.youtube.com/c/astroasahi)ではこの日、チャット欄が「なんか今日も多くない?」「ピークは昨日だったはずなのに、ずいぶん飛ぶねえ」などと盛り上がっていた。
同じ時、明石市立野々池中2年の谷和磨さん(14)も、この星空ライブを見て流星を数えていた。14日は午後10~11時に196個を数え、前日の165個を上回った。自由研究の考察には「極大(ピーク)の日より翌日に多く流れた。ちりの位置が1日分ずれたか、別の群がかぶった」のではないかと記した。
自由研究を読んだ佐藤さんは「独自に大出現に気づいただけでなく、鋭い考察までしているのに感動して涙が出た」と話す。
どんな方法で観測したのか。
谷さんは夏休み前、自由研究…
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